恋文の技術

August 12, 2010

恋文の技術 森見 登美彦 (著)
京都の大学から、遠く離れた実験所に飛ばされた男子大学院生が一人。無聊を慰めるべく、文通武者修行と称して京都に住むかつての仲間たちに手紙を書きまくる。手紙のうえで、友人の恋の相談に乗り、妹に説教を垂れ―。


終始、主人公の書いた手紙で物語が展開します。送る相手によって書き分けられる、いろいろな文体を読むのがとても楽しいです。

主人公は、作中の小説家・森見登美彦氏の大学の後輩で、氏の文章を研究したり、愚痴を言い合う間柄です。四畳半神話体系の小津然り、森見作品には主人公と腐れ縁の悪友が登場しますが、これは森見登美彦氏(実在)の大学時代の実際の状況が影響しているのだろうな、と想像しています。

中盤、主人公が恋文の技術のヒントを発見してから、その成果にたどり着くまで、途中のいくつかの章が蛇足に感じました。また、複数人の視点から出来事を多面的に描く、という手法上やむを得ないのかもしれませんが、繰り返しが多く冗長な部分が多かったように感じます。


単行本: 332ページ
出版社: ポプラ社 (2009/3/5)
発売日: 2009/3/5

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