ベルカ、吠えないのか


ベルカ、吠えないのか

太平洋戦争中にアメリカ軍に捕えられた4頭のイヌの子孫が、人間に翻弄されながら、世界に広がっていく物語。

イヌの血統を証人として、現代史を描くという構造がとてもユニーク。綿々と連なるイヌの歴史と、人の歴史。戦場で相対した2頭が、元をたどれば同じ始祖を持つというエピソードは、人間同士の敵対関係への皮肉のように思えます。主体がイヌだからこそ描かれた、激しい生への執着に胸が熱くなります。

ただ、この作品は決して重苦しいものではありません。勢いのある独特な文体と、魅力的なエピソードによって、すばらしいエンターテインメントとして仕上がっています。


古川 日出男 (著)
単行本: 344ページ
出版社: 文藝春秋 (2005/4/22)
発売日: 2005/4/22
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