創るセンス 工作の思考



創るセンス 工作の思考

作ることで得られるセンス、ものづくりから生まれる知とは? かつての日本では、多くの少年が何らかの工作をしていた。しかし、技術の発展で社会が便利になり、手を汚して実際にものを作るという習慣は衰退し、既製品を選んだり、コンピュータの画面上で作業することが主になった。このような変化の過程で失われた、大切なものがある。それは、ものを作ったことのない人には、想像さえつかないものかもしれない。「ものを作る体験」でしか学べない創造の領域、視覚的な思考、培われるセンスとは何か。長年、工作を続けている人気作家が、自らの経験を踏まえつつ論じていく。



筆者自身が述べている通り、全体的に「最近の若者は・・。自分が若かった頃は・・。」という雰囲気で書かれています。それが少し鼻につくところありましたが、実践して思考せよという主張にはおおいに共感しました。
外から見えない部分であっても、手を抜かず作り込むのは「工作の神様が見ているから」。神様=本人。職人気質とも言えますが、自分が納得するまでやるという態度には、共感しつつも、自分はそこまで突き詰めて物を作っているだろうかと、振り返ってしまいました。
また、仕事は他者の評価、趣味は本人の評価。どっちにしますか?というくだりも、自分の場合はどうか、と考えさせられました。




森 博嗣 (著)
新書: 204ページ
出版社: 集英社 (2010/2/17)
発売日: 2010/2/17

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