レーザーカッター Speedy100R

先週に引き続き、慶應義塾大学SFCのメディアセンターでデジタルファブリケーションの機材を使わせてもらいました。今回はレーザーカッターです。





使用したのは trotec Speedy 100R
・レーザータイプ:CO2 レーザー
・作業面積: 610 x 305 mm
・ワークピースの高さの上限: 170mm
・レーザー出力:30~60ワット




今回も出力するデータはFlowerium Generatorで作成。彫刻の段階がどれほど差を付けられるものなのか確認するために、5段階(花びら4レイヤー、雄しべ1レイヤー)のデータを作りました。

Flowerium Generator」4.6MB ※MacOSX 10.10でのみ動作確認済み。




Speedy 100Rは、加工データを色(RGB)で識別します。Adobe Illustrator で先ほどのPDFを開き、それぞれのレイヤーを色分けします。

外形  赤(R255,G0,B0)
花びら1 緑(R0,G255,B0)
花びら2 青(R0,G0,B255)
花びら3 黄(R255,G255,B0)
花びら4 水色(R0,G255,B255)
雄しべ 紫(R255,G0,B255)

その他の注意点としては、切断のパスは線の太さを0.001mmに設定する。アートボードは、データのサイズに合わせる。




Speedy 100RはプリンタとしてPCに接続されます。Illustratorで.aiファイル開き、プリントダイアログで色ごとの加工データを設定します。

赤(R255,G0,B0) 切断
緑(R0,G255,B0) 彫刻(薄い・浅い)
青(R0,G0,B255) 彫刻
黄(R255,G255,B0) 彫刻
水色(R0,G255,B255) 彫刻
紫(R255,G0,B255) 彫刻(濃い・深い)

設定できる項目は、レーザーの出力、移動速度、レーザーの周波数など。出力が高くスピードが遅いほど、濃く・深く彫刻されます。あまりにゆっくりだと焦げたり燃えたりするそうです。また、対象の材質、木の場合は湿度や木目などが影響します。均質でない素材を扱う場合は、データの設定に職人芸的な調整が必要なようでした。




材料をセットします。切断可能な厚みは10mmとの事です。




レーザーの焦点距離を合わせます。台座を徐々に上げ、器具が倒れた高さでOK。ハイテク機器だけど、設定方法は意外とアナログ。




いよいよ加工開始。




10分ほどかかって完成。中央へ行くほど濃く・深くなっていますね。ただ、あまりくっきり違いを出せなかったので、レーザーの出力など設定の研究が必要です。





CNCフライス盤に比べて切断スピードが圧倒的に速くて驚きました。素早く正確に動く機械はみとれてしまいます。

彫刻もできますが、深さの指定は出力と移動スピードで間接的に行う事しかできません。材料が均質ならば何度かテストで実測すれば、見当をつける事はできるようになるかもしれません。