ガイドツアー 複雑系の世界: サンタフェ研究所講義ノートから


ガイドツアーという書名の通り、複雑系科学の概観を紹介する内容。


はじめに「複雑系とは何か」という明確な定義はまだ無いそうだ。逆にそれを知る事が目的とも言える。

とはいえ共通する特徴はある。
・単純な個々のユニットが集合すると、予測不能な振る舞いをする
・ユニット同士が影響を与えあい、信号を伝達する
・硬直的ではなく、環境に適応して振る舞いを変える


まとめると、「数多くのコンポーネントから構成されながらも、単純な運用規則を持つのみで中央制御機構を持たない大規模なネットワークから、集合体としての複雑な振るまい、複雑な情報処理や、学習、進化による適応が生じるシステム」となる。

複雑系科学は、こういった特徴がなぜ生じるのか、どのような法則があるのか、どのように制御する事ができるのか、について知る事を目的としている。

「創発的で自己組織化する振る舞いを示すシステム」の例は、
・蟻のコロニー
・免疫
・遺伝と進化
・代謝
・コンピュータによる類推
・セルオートマトン
・遺伝アルゴリズム
など、多岐にわたる。

複雑系の難しいところは、適応されるジャンルが多岐にわたる為、それぞれの分野の専門家同士が協力する必要があるところ。例えば、生物の代謝スケーリングに関する研究のため、生物学者と理論物理学者が協力するというに。しかし、この構造は「個々のコンポーネントの働きが、全体としてより大きな機能を生む」という複雑系の考えそのものである事が面白い。


自分が複雑系の何処に魅力を感じているのか考えると、つまり個々の単純なユニットが作り出す全体のパターンに、生命の息吹のようなものを感じるからではないかと思う。


本文中で紹介されている書籍で、読みたいものをメモ。

「サイバネティクス(ノーバート・ウィーナー)」
「自己組織化と進化の論理(スチュアート カウフマン)」
この2冊は過去に途中で挫折したので、再挑戦したい。

「ゲーデル、エッシャー、バッハ(ダグラス・R・ホフスタッター)」
ずっとAmazonのほしい物リストに入っているので買いたい。

「遺伝アルゴリズムの方法(メラニー・ミッチェル)」
プログラムの実装で参考にしている「複雑系のシミュレーション」という本を書かれた伊庭先生が翻訳されているので、ぜひ読みたい。



ガイドツアー 複雑系の世界: サンタフェ研究所講義ノートから
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