宇宙創成〈上〉
宇宙はいつ、どのように始まったのか?人類永遠の謎とも言えるその問いには現在、ある解答が与えられている。ビッグバン・モデル。もはや「旧聞」の感さえあるこの概念には、実は古代から20世紀末の大発見へと到る意外なエピソードと人間ドラマが満ちていた—。有名無名の天才たちの挑戦と挫折、人類の夢と苦闘を描き出す傑作科学ノンフィクション。
かつてSF作家アーサー・C・クラークは「高度に発達した科学は魔法と区別がつかない」との言葉を残したそうだが、本書は今日の科学が決して魔法ではなく、先人の知性と情熱によって積み上げられた結果だと改めて気づかせてくれる。
科学者のドラマを絡めて科学の発展を描く手法は、福岡伸一の「生物と無生物のあいだ」と似ているが、こちらの方は宇宙論にたどり着くのを目的としているため、科学の進歩を追う事を重視している。
なお発刊年は宇宙創成(ビッグバン宇宙論)が先。
上巻では、宇宙定数による永遠不変の宇宙と、ビッグバンモデルのどちらが正しいのか!?という所で終わっている。科学本ではあるが、すばらしいエンターテインメントだ。
著者:サイモン シン
文庫: 387ページ
出版社: 新潮社 (2009/1/28)
発売日: 2009/1/28
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