オーデュボンの祈り
コンビニ強盗に失敗し逃走していた伊藤は、気付くと見知らぬ島にいた。江戸以来外界から遮断されている“荻島”には、妙な人間ばかりが住んでいた。嘘しか言わない画家、「島の法律として」殺人を許された男、人語を操り「未来が見える」カカシ。次の日カカシが殺される。無残にもバラバラにされ、頭を持ち去られて。未来を見通せるはずのカカシは、なぜ自分の死を阻止出来なかったのか?卓越したイメージ喚起力、洒脱な会話、気の利いた警句、抑えようのない才気がほとばしる!第五回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞した伝説のデビュー作、待望の文庫化。
リアルとファンタジーの狭間のような舞台に放り込まれて、どういう視点で理解したらいいのか分からずに困惑させられる。推理小説なら推理小説の、SFならSFの、暗黙の枠組みがある物だが、それが分からない。最後まで分からない。だけど、作品世界の中には確かにルールがあって、だんだんとその世界観が心地よくなってくる。
文庫: 464ページ
出版社: 新潮社 (2003/11)
発売日: 2003/11
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