夜は短し歩けよ乙女

夜は短し歩けよ乙女

April 30, 2009


夜は短し歩けよ乙女


「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、京都のいたるところで彼女の姿を追い求めた。二人を待ち受ける珍事件の数々、そして運命の大転回とは? 山本周五郎賞受賞、本屋大賞2位の傑作、待望の文庫化!


とにかくキャラが歩く歩く。お話の間中、常に動き続けている。
だから、舞台になっている場所(歓楽街や古本市)が空間的に感じられて、出来れば自分も彼らを追いかけて一緒に歩きたいと思ってしまう。京都の地名がたくさん出てくるが、あれは実際のものなんだろうか。もしそうだったら、その場所に行ってもう一度読み返してみたい。ひょっとしたら、路地の向こうに乙女の後ろ姿を見つけることができるかもしれない。


文庫: 320ページ
出版社: 角川グループパブリッシング (2008/12/25)
発売日: 2008/12/25
ハラダ発ライ麦畑経由ニューヨーク行

ハラダ発ライ麦畑経由ニューヨーク行


ハラダ発ライ麦畑経由ニューヨーク行


一冊の本を手に僕は新しい冒険へと旅立った。最新エッセイ集。


学生の頃読んでいたままのかる〜い原田調のエッセイ。
と思ったらまさにその頃の発行年だった。

最近、本と場所を紐づけるコンテンツを考えているので,「本で読んだあの場所へ行ってみたい」というテーマに惹かれて読んでみた。テーマは面白かったが、旅行記としては薄い内容で残念だった。

単行本: 150ページ
出版社: 朝日出版社 (2000/03)
発売日: 2000/03
動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか

動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか

April 6, 2009

動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか


生命とは、絶え間ない流れの中にある動的なものである。読んだら世界がちがってみえる。哲学する分子生物学者が問う「命の不思議」。今まで体験したことのないサイエンス・ストーリー。


生物と無生物のあいだ」と比べ文体が軽く、取り扱う内容も散漫な印象があった。あとがきを読んで分かったが、雑誌のに連載した文章を集めた物だそうだ。「生物と〜」では、科学者の研究に捧げる情熱の物語を軸に、生命の定義に迫る内容だったが、本書はダイエットやアンチエイジングなど、柔らかい話題を切り口としている。ハードカバーだが新書的な内容だった。

単行本: 256ページ
出版社: 木楽舎 (2009/2/17)
発売日: 2009/2/17
死神の精度

死神の精度


死神の精度


CDショップに入りびたり、苗字が町や市の名前であり、受け答えが微妙にずれていて、素手で他人に触ろうとしない—そんな人物が身近に現れたら、死神かもしれません。一週間の調査ののち、対象者の死に可否の判断をくだし、翌八日目に死は実行される。クールでどこか奇妙な死神・千葉が出会う六つの人生。


作品を横断して人物が登場するという手法を好む著者の持ち味が活かされた短編集。伊坂幸太郎はこの本を最初に読んだので、他の作品ではあまり交錯していないんだなと逆に意外に思った程だ。
主人公の達観したようなすっとぼけたようなキャラクターがおもしろい。

文庫: 345ページ
出版社: 文藝春秋 (2008/2/8)
発売日: 2008/2/8
陽気なギャングが世界を回す

陽気なギャングが世界を回す


陽気なギャングが世界を回す


嘘を見抜く名人、天才スリ、演説の達人、精確な体内時計を持つ女。この四人の天才たちは百発百中の銀行強盗だった……はずが、思わぬ誤算が。せっかくの 「売上」を、逃走中に、あろうことか同じく逃走中の現金輸送車襲撃犯に横取りされたのだ! 奪還に動くや、仲間の息子に不穏な影が迫り、そして死体も出現。映画化で話題のハイテンポな都会派サスペンス!

銀行強盗といえば印象に残っているのは、映画「ダークナイト」の冒頭シーン。強盗一味が手際よく事を進めていくのだが、用済みになった仲間はすぐに殺されていき、最終的にはヒース・レジャー扮するジョーカーが独り占めにするという、実に鮮やかかつ残忍な犯罪だった。
伊坂幸太郎のギャング達は手際の良さは共通するが、残忍さではなくユーモアを持って仕事をする。
この小説はストーリーがどうこうというよりも、キャラクター同士の掛け合いが楽しく、雰囲気を楽しむ物のように思える。


文庫:
394ページ
出版社: 祥伝社 (2006/02)
発売日: 2006/02
オーデュボンの祈り

オーデュボンの祈り



オーデュボンの祈り

コンビニ強盗に失敗し逃走していた伊藤は、気付くと見知らぬ島にいた。江戸以来外界から遮断されている“荻島”には、妙な人間ばかりが住んでいた。嘘しか言わない画家、「島の法律として」殺人を許された男、人語を操り「未来が見える」カカシ。次の日カカシが殺される。無残にもバラバラにされ、頭を持ち去られて。未来を見通せるはずのカカシは、なぜ自分の死を阻止出来なかったのか?卓越したイメージ喚起力、洒脱な会話、気の利いた警句、抑えようのない才気がほとばしる!第五回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞した伝説のデビュー作、待望の文庫化。

リアルとファンタジーの狭間のような舞台に放り込まれて、どういう視点で理解したらいいのか分からずに困惑させられる。推理小説なら推理小説の、SFならSFの、暗黙の枠組みがある物だが、それが分からない。最後まで分からない。だけど、作品世界の中には確かにルールがあって、だんだんとその世界観が心地よくなってくる。


文庫: 464ページ
出版社: 新潮社 (2003/11)
発売日: 2003/11